山形の郷土料理「笹巻き」を入居者さんたちと作りました。
笹巻きは、浸水後に水切りしたもち米を笹の葉で巻き、結びひもをかけた後、熱湯でゆで上げた食べ物。ほかの県では「ちまき」とも呼ばれます。笹の葉には防腐性や抗菌性があるといわれていて、昔から保存食や携帯食の包装によく使われる材料です。
山形県では、年越しや正月のほか、祭りや祝い事など、年間を通してよく餅をついて食べます。こうした餅文化は米どころであればそう珍しくはありませんが、もち米を粒のまま使用する「笹巻き」や、鶴岡市の南部でつくられているような灰汁水で煮る「笹巻き」は珍しい郷土食として知られています。
「笹巻き」は、端午の節句で食べる行事食でした。昔は、雪の多い山形県では上巳の節句、端午の節句をひと月遅れで祝うことが多かったため、5月末から6月ごろになると笹の葉が大きくなり、笹巻きをつくるのにちょうど良い大きさになります。
そんな昔人の知恵がつまった笹巻きを、懐かしみながら上手に作り上げました。結びの形の美しさもみていて気持ち良いものです。
出来上がった笹巻きは皆さんで美味しくいただきました。
爽やかに広がる笹の香りがここち良い初夏のひと時でした。